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賃金を支払う際には様々なルールがあります。ここで賃金の支払い方についてもう一度確認していきましょう。
賃金は、
@通貨で、
A直接労働者に、
Bその全額を、
C毎月1回以上、
D一定の期日を定めて
支払わなければならない。(労基法第24条)
では具体的にみていきましょう。
賃金は原則として通貨で支払う(いわゆる現金手渡し払い)ことになります。ただし、次の例外が認められています。
☆ 法令若しくは労働協約に現物支給の定めがある場合
(労基法第24条第1項但し書き)
☆ 労働者の同意を得た場合には、当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込みによることができます(労基法則7条の2)
「同意」:労働者の意思に基づくものである限り形式は問いません。
「指定」:労働者が賃金の振り込み対象として銀行その他の金融機関に対する当該労働者本人名義の預金口座を指定するという意味です。(つまり本人以外名義の預金を指定することはできません。)
「振込み」:振り込まれた賃金の全額が所定の賃金支払日に払い出し得るように行われることが必要です。(S63.1.1基発1号)
また、口座振込みによる賃金支払いには、上記の他、
・ 口座振込み等の対象となっている個々の労働者に対して所定の賃金支払日に賃金の支払いに関する計算書を交付すること。
賃金の支払いに関する計算書には次の事項の記載が必要です。
(1) 基本給、手当その他賃金の種類ごとにその金額
(2) 源泉徴収税額、労働者が負担すべき社会保険料額等、賃金から控除した金額がある場合には、事項ごとにその金額
(3) 口座振込等を行った金額
・ 口座振込みがされた賃金は、所定の賃金支払日の午前10時頃までに払出し又は払戻しが可能となっていること。
・ 取扱金融機関及び証券会社の所在状況等からして1行、1社に限定せず複数とする等労働者の便宜に十分配慮して定めること。(H10.9.10基発530号)
などのルールもあります。
賃金は労働者本人以外の者に賃金を支払うことを禁止しています。よって、
労働者の親権者その他の法定代理人や、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことはいずれも労基法違反となります。(S63.3.14
基発150号)
「ただし、本人の支配下にあると認められる妻や子が、本人の印鑑を持参し、本人名義で受領した場合には本人の代理人ではなく使者への支払として適法となる」(トップ・ミドルのための採用から退職までの法律知識 安西愈著 中央経済社 P223より)
賃金はその全額を支払わなければなりません。(労基法第24条第1項)
ただし次の場合は賃金の一部を控除して支払うことができます。
☆ 法令に別段の定めがある場合
会社が賃金を支払う際に源泉徴収しなければならないと定められている税金(所得税や地方税)、労働者が負担すべき社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)や雇用保険料は会社の義務として控除できます。
☆ 上記以外のもの、例えば「購買代金、社宅、寮その他の福利厚生施設の費用、社内預金、組合費等、事理明白なもの」は労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者との労使協定(賃金控除に関する協定書→サンプルはこちら)がある場合は賃金の一部を控除して支払うことができます。
(労基法第24条第1項後段・S27.9.20基発675・H11.3.31基発168より)
賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません。(労基法第24条第2項)
ただし、
☆ 臨時に支払われる賃金
「臨時的突発的事由に基づいて支払われるもの及び結婚手当等支給条件は予め確定されているが、支給事由の発生が極めて不確定であり、かつ非常に希に発生するもの」をいい(S22.9.13基発17)、退職金もこれに該当します。
☆ 賞与
☆ その他臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるもの(労基則第8条)
・ 1ヶ月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当
・ 1ヶ月を超える1定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
・ 1ヶ月を超える期間にわたる事由によって算定される奨励加給又は能率手当
についてはこの限りではありません。
参考資料:社会保険労務ハンドブック(全国社会保険労務士連合会編 中央経済社)/トップミドルのための採用から退職までの法律知識(安西 愈 著 中央経済社)/労働基準法のポイント(全国労働基準関係団体連合会発行パンフレット)/労働基準法解釈総覧(厚生労働省 労働基準局 編労働調査会)など
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