介護保険制度導入後、社会福祉法人でもパート職員の採用が増えてきておりますが、パート職員、特に登録ヘルパーといわれる、労働時間や労働日数が不規則な職員の方に対する有給休暇の管理は何かと大変なことが多いかと思います。
パート職員の有給休暇については、労働基準法第39条により、事業主は、一定の要件を満たした労働者(※1)に対して年次有給休暇を与える義務が発生し、違反した場合は「6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」という罰則規定(労働基準法第119条)がありますので、しっかりと対応する必要があります。
※1 雇い入れの日から起算して6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者(パートタイマ、アルバイトも含む)
介護保険法だけではなく労働基準法についてもコンプライアンスを守りながら、効率的なパート職員の年次有休休暇のマネジメントができるよう、以下の事項について一度検討してみてはいかがでしょうか?
1.年次有休休暇の付与日数のポイント
登録ヘルパーなど、週ごと、月ごとによって、お客様の利用増減等に応じてシフトを作成するため、“週3日”や“月15日”などと所定労働日数を確定しにくい職員に対しては、国の通達により、「雇入れの日から起算して6か月経過後に付与される年次有給休暇の日数については、過去6か月の労働日数の実績を2倍したものを「1年間の所定労働日数」とみなして判断することで差し支えないこと」とされております。
国の通達を基づいた具体的な付与日数の算定方法については、別紙1を参照してください。
なお、パート職員の雇い入れ日は欠員の補充などのため多岐に渡る場合が多いので、基準日を設けて年休の一斉付与を行うとマネジメントしやすくなります。
2.年次有休休暇の賃金算定のポイント
年次有休休暇中に支払われるべき賃金は、就業規則等で「通常の賃金」又は「平均賃金」と定めるか、もしくは労使協定によって「健康保険法に定める標準報酬日額」とするかを確定する必要があります。
一日の労働時間などが一定のパート職員でれば「通常の賃金」のほうが計算しやすいといえます。一方、登録ヘルパー等のように一日の労働時間が日によって違っていたり、身体介護と生活援助で時間給の設定が違っている場合は「平均賃金」のほうが労使ともに納得しやすい賃金体系かと思います。
なお、「通常の賃金」や「平均賃金」についてもっと詳しく知りたい方は別紙2を参照してだくさい。
3.年次有休休暇の付与単位
労働基準法では、年次有給休暇の付与単位を1日としています。そのため、年次有給休暇を取得した日の所定労働時間がたとえ1時間であっても、その日を年次有給休暇として請求した場合は、その労働者は、その年次有給休暇日数のうちの1日を使ったことになります。
このことから、日によって労働時間にばらつきのあるパート職員の場合は、「通常の賃金」よりも「平均賃金」のほうが労使ともに納得しやすいといえます。
4.年次有休休暇の取得申請ルールの明確化
年次有給休暇とは、労働者にとっては、権利として認められているものですが、では、いつでも職員の自由に休暇を取得できるかといえば、やはり、そこには、顧客が存在し、他の職員との連携の問題もある中で、業務に支障をきたさないことが前提となるため、そのことを事前によく説明しておく必要があります。
やはり大切になるのは、職員が年次有給休暇を申請する際のルールを決めておくことが必要です。
具体的なルールや有給休暇の申請書などについては別紙3を参照ください。
以上、パート職員の労務管理で問題となります年次有休休暇について解説いたしましたが、皆様の職場ではコンプライアンスが遵守されているでしょうか?
経営側としては、年次有休休暇が職員の権利であることを理解し、有休休暇によって職員がリフレッシュでき、仕事に対するモチベーションを高めることができるように、有給休暇を計画的に付与するように取り組むなど、お互いが権利と義務に対して真摯に取り組むことが重要だといえます。
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5月15日 ありがとうございました。『無料メール相談』受付終了しました。